貧血でなくても鉄欠乏の疑いが!!
~鉄欠乏の話~
下のチェックリストで思い当たる症状はありませんか?
□喉の不快感、飲み込みにくい、声が小さい
□爪のアーチが少ない、割れやすい
□硬いものを噛みたくなる(氷、爪、飴、鉛筆など)
□落ち着きがない、多動
□あざができやすい、歯茎からの出血が多い
□乾燥肌、抜け毛が多い
□頭痛、肩こり、めまい、食欲不振、生理痛がひどい
□冷え性、疲れやすい
鉄が不足するとこのような症状が出ます。
チェックリストに1つでも当てはまる方は、鉄分の積極的摂取をおすすめします。鉄欠乏と診断されていない方でも、もしかしたら隠れ鉄欠乏かもしれないのです。
鉄欠乏は通常の血液検査では見抜くことができません。鉄にはヘモグロビン(機能鉄)とフェリチン(貯蔵鉄)に分けられますが、通常の血液検査では、ヘモグロビンの値しか測らないため、鉄欠乏でないと判断されても、フェリチン値が低い隠れ鉄欠乏の疑いがあります。
20~40歳の月経中の女性では、かくれ貧血の女性の割合が約65%という報告もあります。
鉄欠乏の原因として、月経による出血、ダイエットによる偏食、加工食品の摂取が挙げられます。加工食品に添加物として使用されているリン酸カルシウムは、鉄の吸収を妨げる性質があるため、効率よく鉄が吸収できなくなる恐れがあるので注意が必要です。また、部活動や趣味等で長距離走る方やトレーニングをしている方は、汗と共に鉄分が失われるので、特に注意が必要です。
また、お母さんが鉄欠乏だと、生まれてくる赤ちゃんもお母さんからの鉄を十分にもらうことができず、鉄欠乏になってしまいます。そのお子さんが鉄分を意識しない食生活を送り、いずれ出産すると鉄欠乏のお子さんが生まれて…という悪循環になってしまいます。鉄分を意識して摂取してすぐにヘモグロビンやフェリチンの数値が改善するわけではなく、栄養が満たされるまで2年ほどの歳月が必要と言われているので、将来、妊娠を考えている方は早めに食生活を見直すことをおすすめします。
鉄分には、肉や魚の赤身に多く含まれるヘム鉄と、野菜や穀類、豆腐、海藻類などに多く含まれる非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄の吸収率は20~30%、非ヘム鉄は5%と大きな違いがあります。積極的にお肉やお魚を食べ、ヘム鉄を摂取することが大切です。
ヘム鉄が多く含まれていることで有名な食材はレバーです。しかし、レバーが苦手な方多いですよね。そんな方でもおすすめなのが、市販のレバーペーストです。商品によっては臭みがなく、食べやすいものがあります。(詳しくアクリアデンタルクリニックにご来院の際にお尋ねください)そのままでレバーペーストを食べるのは難しい…という方はカレーやミートソースに入れて食べる方法がおすすめです。レバーペーストを臭みが消え、コクが出て隠し味になり、鉄分を上手に摂取することができます。
鉄分を積極的に摂取してから悩んでいた症状が収まったという話をよく耳にします。心当たりのある方は食生活を見直してみてはいかがでしょうか。
アクリアデンタルクリニック 管理栄養士 落合いろは